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ブロッキングは確かに憲法違反
「海賊版サイトのブロッキングは憲法違反」「漫画村は国内から配信されている」 楠正憲さんに聞く。
「海賊版サイトのブロッキングは憲法違反」「漫画村は国内から配信されている」 楠正憲さんに聞く
出版社や漫画家が言っていることは100%理解している。
でも、海賊版だろうとそうでなかろうと、憲法で通信の秘密が謳われている以上は、これはやってはいけない。
どうしてもやるなら、法改正、憲法改正を行う位の事はしないとダメでしょう。
海賊版サイトをブロック出来たとしたら、時の政権が不都合な事にブロック要請をやらかすと、それはもう中国共産党と何ら変わりありません。

だから、海賊版サイトを摘発するか、徹底的にサービス不能になるまで陥れるか。
もしくは、以下のサイトを参考にするか。

漫画の違法サイトを本気で潰すにはこうしたらいい

これをする(漫画家が連載を止める)には、相当の根回しと苦労がいるが、もしも実現したら、出版社と漫画家のパワーバランスが一気に逆転しそう。
特に売れている漫画家は、ますます出版社に強くなり、それ以外の漫画家は、売れるまでに相当な努力が要りそう。読む人がだんだん減っているのにね。
私的には、一部の出版社がやっているように、各社統一フォーマットを作り、出版会社毎の漫画雑誌を月額500円程度で読み放題にし、Amazon Prime Readingのように最初の数巻だけを読ませるような仕組みにした方が良いと思いますけどね。
そうしないと、この先出版社は大変なことになると思いますよ。
このまんまずっと、Amazonに命を預けるんですか?

あと、絶版になった本を電子書籍で復活して欲しいですね。
徐々に増えては来ていますけどね。


 人気漫画を無許諾でネット配信する漫画海賊版サイトが人気を集め、出版社の売り上げにも影響しているとされる中、政府が動き出した。政府がISPに対して、3つの海賊版サイトを指定し、ブロッキングを要請するとの報道が4月6日にあり、早ければ週内にも閣議決定されるとみられている。

 ブロッキングの是非については意見が割れている。「漫画海賊版サイト対策は手詰まりで、ブロッキングやむなし」という考え方もあれば、「ブロッキングは憲法違反で、行うべきではない」との意見も。11日には後者の立場から、通信関連の団体などがブロッキングに反対する声明を相次いで発表した。ITmedia NEWSでは、海賊版ブロッキング問題について有識者への取材や寄稿を通じ、この問題について考えている。

 本稿では、ネット規制関連の議論にこれまで何度も関わり、児童ポルノ対策のブロッキングに関する議論にも参加した楠正憲さん(国際大学GLOCOM客員研究員)に、海賊版サイトのブロッキングの是非や、被害を受けている出版社が取り得る対策などについて聞いた。

●「ブロッキングは憲法違反」「都合の悪い情報、政府が止められるようになる」

――政府がISPに対して、漫画海賊版サイトのブロッキングを要請すると報じられている。海賊版サイトのブロッキングについて、どう考えるか。

 政府が特定のサイトのブロッキングを事業者に要請することは憲法違反で、行うべきではない。「通信の秘密」や「検閲の禁止」を定めた憲法21条に抵触する恐れがある。また、要請を受け入れた事業者は、電気通信事業法の「通信の秘密」に抵触する可能性も高い。

 法的根拠がなく、憲法違反になりかねない要請を政府が民間に対して行うようでは、法の支配を尊重する自由主義国家ではないと世界に公言するようなもので、とても恥ずかしい。ISPによるブロッキングを実施している国は40カ国以上あるが、少なくとも西側諸国では、議会での立法を経ているか、裁判所の判決に基づいている。

 通信の秘密の侵害について、政府は、刑法上の「一時的な緊急避難措置」と位置付けて違法性を阻却する考えだと報じられているが、無理筋だろう。刑法の緊急避難は、(1)現在の危難(危難が差し迫っている状況)があり、(2)補充性(その危難を避けるためやむを得ない場合)で、(3)法益権衡(生じた害が避けようとした害を超えない場合)のみに認められる。

 2011年には、ISPによる児童ポルノサイトのブロッキングが始まった。児童ポルノは(1)被害児童の人権が侵害されており、(2)ほかの方法では十分保護できず、(3)正当な表現を不当に侵害するものではない――など、この3条件をかろうじて満たしている。また、検閲に当たることを避けるため、形式上、政府からブロッキングの要請はしておらず、民間ISPの自主的な判断で行っている。海賊版サイトの場合、ブロッキング要請を閣議決定に書き込んだら、明らかに「ブロッキングをISPにお願い」しており、検閲に当たるだろう。

 今回「漫画の海賊版サイトによる著作権侵害で、出版社や漫画家が経済的不利益を被っている」ことが、(1)「現在の危機」とされているようだが、侵害されているのはあくまで経済的な利益でしかない。また、(2)(3)を満たすとも思えない。

 経済的利益の侵害のみで緊急避難を認めてしまうと、国内事業者の利益を奪うサイトは、ブロッキングしていいことになる。例えば中国政府はFacebookやTwitterを止めている。何かしら権利侵害を行っているサイトを止められるなら、ニコニコ動画やYouTubeにも著作隣接権をクリアできていないコンテンツがアップロードされているし、日々わたしたちが目にするニュースだって、誰かしらの名誉棄損や人格権侵害を行っているケースが少なからずあるだろう。

 「権利侵害が発生しさえすれば、司法判断なしに、閣議決定のみでブロッキングできる」という先例ができると、人格権侵害や名誉き損など、あらゆる権利侵害について、政府の一存でブロッキング可能になってしまいかねない。政府や業界にとって都合の悪いものは、閣議決定でみんな止められる。それこそ、政府に都合の悪い情報は自由に遮断できる中国やエジプトのようになりかねず、民主主義の危機だ。

 また、政府が「海賊版サイトのブロッキングは、緊急避難として違法性が阻却される」と整理したとしても、ISPが実際にブロッキングを行い、裁判になった場合、裁判所がどう判断するかは分からない。緊急避難と認められず、違法との判決が出る可能性もある。そのリスクはISPが負わざるを得ない。確実に違法性阻却するためには、新たな立法が必要ではないか。

――DNSブロッキングは、ユーザーとISPの間で完結しており、第三者が介在しないため、通信の秘密を侵害には当たらないという意見もある。

 DNSが行っている名前解決(ドメイン名からIPアドレスを検索すること)を、「単独の通信」とみるか、「通信の全体フローの一部」と見るかで異なる。前者ならDNSサーバ自体が通信の当事者となるので通信の秘密の侵害に当たらないとする見方もあるが、後者なら、一連の通信のやりとりを途中で止めているという扱いになり、通信の秘密を侵害すると考えられる。これまでの通説や政府見解は後者だ。前者の考え方は、警察庁の総合セキュリティ対策会議や総務省、経産省の研究会でも議論され、否定されており、政府も「DNSブロッキングは通信の秘密の侵害に当たる」と認識している。

●「漫画村」は「日本から配信されている」

――現在、最大規模とみられる漫画海賊版サイト「漫画村」は、「日本と国交がない海外にサーバがあり、海賊版コンテンツを配信しても違法ではない」と主張している。

 日本国内から日本語で日本人に対してサービスを配信していれば、その実態が問題であり、どこに元サイトがあるかはそれほど重要ではない。

 日本から漫画村にアクセスした際の経路を調べると、米CloudflareのCDNサービス(Content Delivery Network、コンテンツを効率的に配信するネットワーク)を使い、米データセンター大手EQUINIXの設備から配信している可能性が高い。CloudflareのWebサイトには、「東京と大阪にデータセンターがある」と書かれており、おそらく、日本国内にあるEQUINIXのデータセンターの中に、Cloudflareの機材を置いているのだろう。Cloudflareの後ろにある元サイトが海外にある可能性は否定できないが、配信行為そのものは、日本国内の施設の設備から行われている。

――「漫画村」は海外にサーバがあるため、日本からなかなか取り締まれず、ブロッキングに頼るしかないという声もある。

 確かに課題はあるが、できることはあるはずだ。少なくとも日本国内の設備から配信されているサイトに対しては、日本法を執行できるべきだ。CDNや、CDN設備を設置している日本の事業者に配信停止を求めたり、訴訟を起こしたり、広告事業者にアプローチし、収益源を止めることなどはできないのだろうか。出版業界はどこまでその努力をしているのか? いろいろと努力はしているとは思うが、その実態が明らかになっていない。

 漫画村自体は2017年の夏前にはあったようだ。昨夏の段階で、「運営者は日本人のこの人ではないか」といった情報も出ており、警察への情報提供もあったのではないか。それから半年以上経っている。出版社などはこの間に、被害回復のために何をやってきたのか。

 官邸に働きかける前に、裁判で海賊版サイトを訴えるなど、現行法の範囲でできることをやるべきだ。また、日本国内に拠点を持つCDNや、そのCDNに対して場所とネットワークを提供している通信事業者に対して、総務省が行政指導するといったことも可能なはずだ。

 海外のクラウドサービスやCDNを使って運営者をごまかすだけで、日本の法律が一切通じないという世界は、そもそもおかしい。日本のネットの場合、サイト運営者に違法情報の削除義務がなく、違法情報を放置しても罰則がない。著作権侵害に限った話ではなく、ネット上の違法情報に対して削除義務を課すことは、08年、青少年インターネット利用環境整備法の際に総務部会案として検討されたこともあったが実現しなかった。

●出版社が採れる対策は?

――海賊版サイト被害に苦しむ出版社が採れる対策には、どのようなものがあるか。

 まず行うべきは、海賊版サイトや配信元への差止請求だ。日本で裁判を起こす場合、訴訟の名宛人を特定する必要があるが、サーバが海外にあると突き止めることが難しい。米国法なら相手が不明でも訴訟を起こすことができる。海外の通信事業者を悪用した不法行為が増えている現実を踏まえ、米国と同様、加害者を特定しなくても差止請求を行えるように、プロバイダー責任制限法をはじめとした関連法令を見直す必要があるだろう。

 DMCA(米デジタルミレニアム著作権法)による削除申請も一つの手段だ。DMCAに基づき、出版社からGoogleに対して、漫画村を検索に表示しないよう通知が送られ、一部のページが検索結果から消えるなど、ある程度機能しているようだ。

 米国のCDN・Cloudflareに対しても、DMCAに基づく削除通知が送られているようだ。もしCloudflareが通知を無視するなら、米国で著作権侵害に基づく訴訟を起こすこともできる。Cloudflareはかつて、裁判所の命令も無視し続けていたが、最近、論文の海賊版サイトが出版社からの訴訟で敗訴したことを受け、このサイトの配信代行を停止するなど、態度を変えつつある。

 また、これは極論かもしれないが、不法行為を継続して、裁判所の命令を無視するような者に対する「自力救済」を認めるのが、最も効果を期待できるのではないか。つまり、海賊版サイトを著作権侵害で訴えて、裁判所から差止命令が出たのに、サイトがそれを無視した場合には、被害者に海賊版サイトをハッキングしてつぶす権利を認めるということだ。この方法なら、ダークウェブに隠れているアングラサイトも含めてつぶすことができる。今回の海賊版サイトの問題で改めて、海外のサイト運営者や通信事業者に対しては日本の法律が及ばず、法執行できない現実が明らかになった。差し迫った状況で自力救済を図ることは、民事上は例外として認められる可能性がある。

 ただ、現状では不正アクセス禁止法で刑事責任を問われてしまう。もし仮に法に基づく正当行為か、正当業務行為として自力救済のために必要な不正アクセスを違法性を阻却できれば、権利者が力業でサイトをテイクダウンできるようになる。国際法やサイバー犯罪条約との整合も含めて極めてハードルが高いが、頭の体操としては面白いと思う。

●海賊版サイトのブロッキング、立法化すべきか?

――閣議決定によるブロッキングは避けるべきだが、ブロッキングを可能にする法律を新たに定めるべきだ、との声もある。

 立法の前に、現行法の範囲で、できることはたくさんある。仮にブロッキングを立法化するにしても、立法事実、つまり、既存の法令では対応できないことがはっきりさせなくてはならない。

 出版社が海賊版サイトの運営者を開示するようCDNやそれを収容する通信事業者に開示請求を行ったが無視された、海賊版サイトやCDNを裁判で訴えて、裁判所から仮処分や差止命令が出たにも関わらず、海賊版サイトから無視された――といった実例を積み重ねれば、立法事実として制度改正・法改正に結びつけやすい。

 「海賊版サイトの影響で、出版社の売り上げが落ちている」という経済的な不利益だけでは、立法事実として不十分だ。また、そう主張するなら、海賊版サイトによる実際の被害額を明らかにし、その影響を客観的に証明すべきだ。「4000億円の被害があった」と主張しているようだが、紙と電子を合わせたコミック全体の市場規模が4000億円台で推移してきたのに対して大きすぎる数字で、そのまま信じることはできない。実際に売り上げが落ちているなら、海賊版サイトの影響と他の影響を分けた上で、具体的な額を公表すべきだ。

――あえてブロッキングを立法化するとしたら、どんな法律になるのか。

 弊害が小さいのは「司法的ブロッキング」だろう。ブロッキングの対象を行政が恣意的に決めるのではなく、裁判所の差止命令を無視しているサイトに限定するなど、司法の手続きを経る形だ。現状ではサーバが海外にあり開示請求に応じない場合など、運営者の身元を特定できず裁判に訴えられないケースもあるため、運営者の身元を特定しなくても裁判に訴えることができるようにプロバイダー責任制限法の改正も必要だ。

 ブロッキングはそもそも、日本の憲法に違反する可能性が高いため、既存の法律との整合性を重視する行政からの立法は難しいのではないか。民意の支持が得られるようであれば、議員立法なら可能かもしれない。

――ブロッキングに効果はあるのか。

 効果はあまりないだろう。ブロッキングは簡単に迂回できる。ドメインをどんどん変えてしまえばブロッキングの効果が帳消しになってしまうし、DNSブロッキングを迂回して自由にサイトを閲覧できるサービスをGoogleやCloudflareが提供するなど、迂回のためのサービスも充実してきているため効果は極めて限定的だろう。ISPによるブロッキングよりも、テイクダウンを確実に行うための制度整備の方が効果的だ。

●政府によるブロッキング要請、急に決まった?

――政府による海賊版サイトブロッキングは、急に決まった印象がある。

 この1~2カ月で大きな動きがあったとみられる。ブロッキングについては、日本の権利者が共同で海賊版対策を行う「コンテンツ海外流通促進機構」(CODA)が2年以上前から提案しており、政府の知的財産戦略本部でも議論されていた。今年2月16日の知財本部の会合で、ブロッキングについて集中的に議論されているが、議事録が非公開で不透明だ。知財本部の会合はその後も2回行われており、直近の4月2日の段階では「ブロッキングを行おう」という結論には至っていなかったようにも見える。

 だがその直後の4月6日、政府による海賊版サイトブロッキングの報道が出た。結論ありきだったのかは分からないが、どこかのタイミングで関係者に対して水面下で強い働きかけと根回しがあったのではないか。7日の立憲民主党・枝野幸男代表のオープンミーティングを見ると、枝野代表もブロッキング容認しており、野党の根回しも進んでいるようだ。また、通信事業者への働きかけも進んでいると聞く。

――ブロッキングの要請がISPにあったとして、応じそうか?

 義務ではなく、法律違反となるリスクを排除できない以上、ISPをはじめとした通信事業者は難しい判断を迫られる。大手ISPの中には体制と設備が整っているところもあるが、中小は運用の煩雑さやコスト面で迷うこともあるだろう。

 これは私見だが、携帯電話キャリアには海賊版サイトを遮断する経済的なインセンティブがあるかもしれない。固定系ISPと異なり、もともと限られた無線データ通信帯域を有効活用するため通信を制御するシステムを整備しており、特定サイトの遮断にも容易に対応できる上、自社の有料電子書籍サービスに顧客を誘導するメリットがあるからだ。とはいえ要請に軽々と応じては、今後に禍根を残すことになるのではないか。
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Posted by いぐぅ 06:00 | インターネット | comments (0) | trackback (0)
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